更新日:2019年8月30日
「#Me Too」─。ハリウッド女優がSNSで発信したことから始まったこの運動。セクハラなどの性的被害者だということを隠すのではなく、Me Too(私も)と声を挙げることで、個人的な出来事ではなく、社会全体の問題として取り上げようと女性たちが行動に移しました。それは、犯罪の根底にある人権軽視に対する問い掛けです。LGBTに関する政治家の心無い発言が、大きな批判を受け波紋を広げたのも同様だと思います。
こうした出来事は、人権侵害や様々な差別が、まだまだ社会に根強くはびこっていることを象徴しています。一方で、このような人権侵害を許さないという風潮が、社会全体に広がりつつあると感じます。依然としてなくならないいじめによる子どもの自殺、そのたびに明らかにされる学校側の対応の拙さも、人権尊重、重視という意識の希薄さが、根底にあると思います。未熟な子どもにはまだまだ十分に理解できないことを、大人がしっかりと教え手本となるべきなのに、残念でなりません。
可児市は、外国籍の児童生徒が増えています。平成30年5月1日時点で、可児市の児童生徒数は、岐阜県全体の5.09%であるのに対し、外国籍の児童生徒数は23.5%となっています。先日、外国籍の子どもたちが多く学んでいる市内の小学校で、子どもたちと一緒に給食を食べました。子どもたちは、国籍のことなど全く意識さえしていない様子で、こちらが戸惑うほど自然体でした。「ペーパー上の国籍と、マインドの国籍は別であっても気にしていない」ということも聞きました。法律(ペーパー)上は外国籍であっても、心(マインド)は日本で可児っ子だと、違和感なく思ってくれているようです。こんな環境で育っていく可児っ子たちは、国際化がどんどん進む中で、たくましく成長していってくれると思います。
みんな一緒ではなく、みんな違っていていい。国籍も、性別も、障がいの有無も、育ちの段階も、性格も、考え方も、環境も…。お互いの違いを認め合い、お互いを人として尊重し合う、そんなことが当たり前の社会を、私たちはつくっていかねばなりません。そんなことを、子どもたちに教えられたような気がしました。
可児市長 冨田成輝
添付ファイル
違いを尊重し合える子どもたちに(pdf 504KB)