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ようこそ!市長室へ(52)安心で、楽しい高齢期を願って

更新日:2017年9月29日

 「団塊の世代が75歳以上となる2025年以降は、国民の医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれる。2025年を目途に、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進する。地域包括ケアシステムは、保険者である市町村が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要」
 これは、厚生労働省が平成25年度に、地域包括ケアシステムの考え方を示したものの要点です。これに基づき平成27年度から具体的な事業化がスタートしました。例えば、要介護度の低い方は、介護施設に入居できない制度改定などです。要するに、超高齢社会の進展で、財政的理由から、国では介護などに対応できなくなるので、地域で責任を持って面倒見てくださいということです。
 可児市では、平成23年度から検討をはじめ、平成26年度に推進事業を予算化しています。平成23年度には、当時市内で最も高齢化が進んでいた若葉台で、高齢者支援の拠点施設が設置されました。そして、若葉台高齢福祉連合会を組織し、様々な取り組みを行っていただいています。
 高齢者の単身世帯、夫婦のみ世帯数の増加も課題です。平成27年国勢調査では、本市のこのような世帯が、全世帯の19・7%になっています。世帯数は2500世帯も増え、今後も増加すると思われます。世界でも類を見ない超高齢社会の進展は、今までのサービスや制度では対応しきれない、様々な問題が発生し、その対応には、官民を挙げた協力、支援によって、不安を抱える方々をサポートしなければなりません。
 地域福祉を現場で担ってくれている可児市社会福祉協議会が、この10月から新しい制度を始められます。「ず~っとあんき支援事業」です。県内で先駆けて行われる事業で、事前に預託金を預かって、万が一の際の葬儀や家財処分などのサービスをしてくれます。契約者には、日常生活の見守りサービス、入退院時などの支援もしてくれます。詳細は別添社協だよりをご覧ください。
 長い人生において、それぞれ苦難を乗り越えてきた市民の皆さんには、安心して、そして楽しい高齢期を送って欲しい。高齢者の皆さんが笑顔で暮らせるまち。それが、敗戦から高度経済成長を達成し、世界一の長寿国となった、日本がめざす成熟社会の姿だと思います。


 可児市長 冨田成輝

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