更新日:2017年1月26日
可児市のいじめ防止条例がスタートして、4年になります。何よりも子どもたち自身に、「いじめをやめよう、やめさせよう」と考えて欲しいと願っています。尾木ママさんも、その願いを胸に市内全小中学校を訪問し、子どもたちと直接触れ合ってくれました。
昨年11月には、全国の自治体向けに、いじめ問題を克服しようと呼びかける「いじめ防止自治体サミットin可児」を開催しました。この問題に先進的に取り組まれている、滋賀県大津市長と大阪府箕面市長、そして所管の文部科学省児童生徒課長、さらに、いじめを受けた体験から、いじめ防止活動に取り組んでいる、歌手の刀根麻理子さんらに協力していただきました。
一方、全国的には、いじめを苦に、あるいはいじめが原因と疑われる自殺が、立て続けに起きました。昨年9月に加古川市、10月に神戸市、11月に新潟市。いじめを訴え自殺した青森市の女子生徒を被写体とした写真が、最高賞を一時取り消された黒石市の事案は大きな波紋を広げました。また、福島からの原発避難の子どもへのいじめが、各地で起きていることが分かりました。信じられない思いです。そして、その都度行政や学校の不十分な対応を指摘する報道がなされます。どこまでが真実なのか報道だけでは断言できませんが、とても残念でなりません。「いじめは、限られた環境の、限られた子どもの間で起きること」「いじめがあっても、時間がたてば過ぎ去っていくこと」、このような安直な考えでは、解決にはつながりません。ましてや、重大な案件が発生してからの後始末的な対応では遅過ぎます。
私たちの責務は、大切な全ての子どもたちが、自分の人生を全うするための準備期間を、安心して過ごし、学べる教育環境をしっかりと築いていくことです。可児市では、「いじめ防止専門委員会」の皆さんが、いじめが深刻な事態を招かないように定期的に学校訪問するなど、日常的な活動をしています。また、「いじめ防止協力事業所・団体」の皆さんをはじめ、多くの市民の皆さんがいじめ防止に協力してくれています。スポーツや屋外活動、文化活動などを通じて、子どもたちの成長を応援してくれる皆さんも、本当にありがたいと思います。
自分も他者も大切にして、差異を受け入れ、認め合い、共に成長していく、そんな可児っ子を、市民みんなで見守り、育てていきましょう。
可児市長 冨田成輝
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