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ようこそ!市長室へ(49)多世代協働のまちづくり

更新日:2017年6月28日

 25年ほど前に暮らしていた米国の町では、住民ボランティアで救急消防業務を行っていました。節税による行財政改革と住民サービの向上を、市民自ら実践するものでした。そのため、昼間は現役を退いた看護師さんが、夜間は仕事を終えた看護師さんが救急業務を担うという、見事な世代間連携で業務を遂行していました。
 今、高齢化・少子化・核家族化が進行するなかで、新たな多世代協働の仕組みが、誰もが安心して暮らせるまちづくりのキーワードだと思います。
 登下校の見守りや子ども食堂、子育てサロンやキッズクラブで活躍してくれる高齢者の存在は、子育て世代にとって、本当に頼りになります。キッズクラブに参加してくれる高校生は、子どもたちが大好きなお兄さんお姉さんです。仕事や学校で夜遅くに帰宅することになったとき、街を巡回する青パトの灯火に安心します。公民館まつりや産業フェアに参加してくれる中高生の姿には、明日の地域や産業を支える力となってくれそうな頼もしさを感じます。可児川や木曽川、里山、城跡などを舞台とする自然景観保全活動や観光交流イベント、NPOや国際交流のイベントも、絶好の多世代協働の場です。来年春オープンする可児駅前の子育て健康プラザも、施設を訪れる親子と高齢者、若い世代が協働するにぎやかな広場になってほしいです。
 会話やスキンシップ、人のために行動した時などに分泌されるオキシトシンというホルモンをご存知ですか?幸せホルモンとも呼ばれ、情緒を安定させ、愛情を生み、ストレスを緩和させるなどの作用があります。女性ホルモンの分泌が少なくなる高齢の女性も、小さな子に接することでオキシトシンが分泌され、若々しく健康でいられるそうです。祖母が孫の世話をすることは、孫だけでなく、祖母の健康にとっても大切なことだったのですね。もちろん、女性だけでなく男性も、分泌できることが分かってきたそうです。ボランティア活動で幸せホルモンを出し、健康を保ちながら次世代を育てる、最高ですよね。これから夏休みに入りキッズクラブでは流しそうめん、映画鑑賞会などさまざまなイベントがありますので、ぜひボランティアとして参加していただきたいと思います。
 高齢者の知恵や経験と、若い世代の発想や力が協働して、成熟時代を迎える可児市を支えていきたいですね。


 可児市長 冨田成輝

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