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ようこそ!市長室へ(38)お祭りが地域の絆をつなぐ

更新日:2016年6月28日

 夏本番です。市内各所で行われる、無病息災などを願う伝統的なお祭りに参加して、故郷ならではの思い出をつくりましょう!
 帷子石原地区の建速神社で行なわれる提灯祭り。1年の無事を願う12個の赤提灯を中心に、家族の無事を祈って各家から持ち寄られた白提灯が、闇夜の境内に浮かび上がります。兼山下町地区の虫送りは、夏の恐ろしい病気や害虫を追い払うため、病気や厄神などを乗り移らせた人形を船に乗せ、木曽川へ流します。土田地区の白鬚神社では、無病息災を祈る輪くぐり祭りがあります。祭壇や茅の輪などが設置された境内の様子に、子どもでも神聖な雰囲気を感じることでしょう。観光的な派手さはありませんが、それだけに、素朴な先人の思いが伝わってきます。
 そして可児の奇祭、洞窟夏祭り。羽崎のお千代保稲荷にある、戦時中の軍需工場跡の洞窟を使って開催されます。私が調べた限りでは、戦争遺跡を使用したお祭りは、日本でここだけです。奥行きのある洞窟は、ひんやりとした空気が流れていて、涼しいですよ。
 毎年大盛況の可児夏まつりは、8月13日、14日に開催されます。可児のおいしいグルメが食べられる物産展や、お化け屋敷など楽しい企画が満載です。また、戦国城跡巡り事業の一環として展開しているチャンバラ合戦も14日に行います。新聞紙を丸めて遊んだ子どもの頃を思い出して、親子連れで参加してみませんか。
 各地で行われる盆踊りのはしごも楽しみです。五穀豊穣を願い、ご先祖様に感謝する盆踊りも、かつては大切な婚活の場でした。女性も男性も、浴衣姿で日頃とは違う魅力をまといましょう。
 伝統的なお祭りもあれば、新たに始まったイベントもあります。今年で6回目を迎え、年々人気が高まっている帷子花火大会は、その好例です。地域を盛り上げたいという思いから、有志の皆さんが始められたイベントも、続けられることで地域の大切な伝統になっていきます。可児市民の皆さんには、伝統を守っていく力がある一方で、新たなものを生み出す力もあると大変誇らしく思います。
 お祭りは娯楽であると同時に、集落の結束を強める大切な役割がありました。お祭りを通じてつながりを深めることが、地域の支え合いを守り、防犯、防災にもつながっていきます。それが日本に古くから伝わり、次の世代に引き継がなければならない、大切な精神だと思います。


 可児市長 冨田成輝

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