更新日:2016年9月29日
一昨年のこのコーナーで、多文化共生のお話しをしました(平成26年7月1日号)。その後も本市の外国籍市民の様子は変化してきています。
(1)国籍で言えば、フィリピンの方が増加する一方で、さまざまな国籍の方も増えてきています。
(2)居住する地域は、今渡地区が突出して増加する一方で、市内全域に広がっています。
(3)戸建て住宅を購入され、永住希望の方も増えています。
(4)子どもの数もどんどん増え、高校進学率も伸びています。市内の外国籍の小中学校児童生徒数は、岐阜県全体の20%以上です。
このように、出稼ぎ目的のブラジル国籍市民が主体だった頃と異なって、本格的な多文化共生社会へと移り変わってきているようです。可児市の対応も、初期の相談窓口設置から、さまざまな共生施策を進めてきています。
子どもたちに、学校で必要な生活指導や日本語指導をする「ばら教室KANI」は、平成27年度までに567人が修了しました。多文化共生センターフレビアでは、可児市国際交流協会を中心に、日本語指導や就学・進学支援などを行っています。高校進学を支援する「さつき教室」では、勉強だけでなく日本での将来を描くことができるように、地域の人や仕事のことなどを学習する活動もしています。
15年以上日本で暮らしているダニロ・ザノリニさんは、経営する今渡のジムで、6月から国籍を問わない子ども向けのキックボクシング無料教室を始められました。「最初は、お金を貯めてブラジルに帰ることだけを考え、言葉も含め、日本になじまなかった。これではダメだと日本語を独学で勉強し、空手道場に通うなどしたことで、日本人の友達もできた。子どもたちも、ジムに来れば、言葉は通じなくてもスポーツを通じて分かり合え、新しい友達もできる。自分がそうしてきたように、子どもたちも目標を持ち、それをかなえる強い心を持ってほしい」と自身の体験から語ってくれました。
外国籍市民側からも、可児市での生活に溶け込み、共生を目指そうという動きが出てきています。彼らにとっても、可児市が大切な場所になって欲しいと思います。国籍を問わず、皆が安心、安全に暮らし、地域、社会、文化、経済を支え合う、そんな多文化共生社会の実現を願っています。
10月30日(日)には、多文化共生フェスティバルが、フレビアで開催されます。各国のおいしいものやダンスなどを楽しんでみませんか。
可児市長 冨田成輝
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