更新日:2016年12月28日
私たちが住む可児市はどんなまち・・・?
平成29年成人式実行委員会から國井瑞己さん、光永直也さんをお迎えし、
若い世代から見たふるさと・可児市について語っていただきました。
●可児市ってどんなまち?
<光永> 可児市は外国籍の子が多いというイメージがあります。私は今渡北小学校出身ですが、外国籍児童がクラスに2、3人いて普通に交流していました。大学の友人に話すと、他市では外国籍児童がクラスにいるのは珍しいことのようで、よく驚かれます。
<議長> 可児市には外国籍の人が多く住んでいます。外国籍の児童生徒も多く、県内で約2000人のうち500人ほどが可児市の子で、突出して多いです。
<市長> 市内には全部で約30カ国の人が住んでいます。1番多いのはフィリピン人です。新成人の皆さんが小さい頃はブラジル人が一番多くて、働いてお金を貯めて国に帰る人がほとんどでした。
最近は、可児市への永住希望者が多いですね。市内には外国籍の人が6000人くらい住んでいますが、持ち家率が2割を超えていて、永住希望者は4割を超えています。
<光永> 子どもの数が多いイメージもあるのですが、可児市にも少子化の問題はあるのでしょうか。
<市長> ありますね。ただ可児市では今渡を中心に、川合、下恵土、広見にかけて若い人が増えています。これは駅が近くて地価が安いなど、若い人が住みやすい条件が整っているためだと思われます。逆に帷子や桜ケ丘などの住宅団地は若い人が減っています。
<國井> 可児市は自然が豊かだと思います。私は旭小学校に在学中、学習林の「えがおの森」でドングリ拾いやターザン遊びなどをしたことが印象に残っています。自然が豊かで、実際に自然に触れる機会があるのが可児市の良いところだと思います。
<市長> 私の子どもの頃の遊び場は可児川、鳩吹山などの自然でした。今はゲーム機で遊ぶ子も多いけれど、自然の中で遊ぶ楽しさを経験すれば外に出るようになるのではないでしょうか。
最近では元気な中高年が増えてきて、子どもたちにもっと自然の中で遊んでもらえるように、森を整備したり、可児川でマス釣りを企画したりしてくれています。ありがたいですね。
<議長> ちょうど私たちの世代の頃に、自然に対する考え方が変わってきたと思います。自由に川に入って遊んだりしていたのが、子どもが溺れて亡くなる事故があったりして制限されるようになりました。
もう一点違っていたのは、どこに行くにも上級生が連れて行ってくれたこと。川遊びでも、上級生が危険な所とか、あそこまで頑張れば足が付くとか教えてくれたりしていました。そうやって自然の中で過ごすことで、自然の怖さも知っていったわけです。そういう関係がなくなって、自然から離れてしまったように思います。
今ようやく川も安全に整備をしてもらって、少しずつ自然に触れることができるようになってきましたね。
<國井> ただ、例えば山と言っても正直なところどこが安全に登れるのか分かりません。住んでいる団地の横にも山がありますが、危ないから登らないように言われてきました。
<市長> 鳩吹山や久々利の我田の森など、整備して安全に登れるようになっている所もありますよ。そういう場所を若い人にも知ってもらいたいと思っています。鳩吹山の紅葉などはデートスポットにもおすすめです。
<議長> 鳩吹山は以前と比べてきれいに整備され、小さい子ども連れでも安心して登れるようになりました。また麓の公園ではもみじ祭のようなイベントが始まり、市外からも注目されるようになりました。
カタクリの花も有名ですが、実は土田小学校の子どもたちが増やしてくれたものなのです。今ではたくさんの写真愛好家も押し寄せる、人気の場所になりました。
<市長> 可児市の自然は身近にあって安心というのが特徴です。大自然ではないけれど里山、里川などがあるのがいいところ。そういうことはなかなか伝わらないので、若い人から情報が広がって、そこから皆さんがイベントなどに来るような流れができればと思います。
●市の情報は若い人にも届く?
<國井> 私は我田の森や鳩吹山の紅葉について知りませんでした。このような情報は市ホームページに載っているのでしょうが、どこを見ればいいのか分からなくて断念してしまうことが多いです。情報がないとイベントにも参加しづらいので、SNS(※)で拡散していくと良いのではないでしょうか。
検索しても見たい情報につながらないのも問題だと思います。「家族連れにおすすめ」とか、自分の欲しいテーマごとにまとめてあるページに飛んだりすると、検索する人も増えるのでは。せっかく市内にすてきな場所があるのに、知らない人がいるのはもったいないですね。
<市長> 昨年、可児市のPR動画を作って総務省のホームページ「全国移住ナビ」に投稿したところ、全国600くらいの自治体の中で、アクセス数が最高で7位になりました。しかも可児市の動画はほとんど職員が作ったので、制作費もあまりかかっていません。
<議長> 方言がフランス語に聞こえる自治体など、いろいろなPR動画がはやりましたね。全国で7位とはすごいことです。もっと宣伝しましょう。
<市長> 今年から、可児市も情報発信に力を入れていきます。その情報発信に、皆さんのような若い人にも関わってほしいと考えています。SNSを一緒にやってもらったり、メンバーになってもらえると力強いですね。
<國井> そういう仕組みがあると、いろいろな人に声を掛けたりできると思います。
<市長> ぜひ参加して、若い人たちにも伝わる情報発信のやり方を提案してください。
●暮らしたからこそ分かる、 まちの良いところ
<議長> 市外の人に可児市を紹介するとき、どんなことを話しますか。
<光永> よく言うのが、災害などが少ない安全な地域ということです。住み心地が良いイメージを持っています。
<國井> 良い意味で「田舎」と言っています。自然が豊か、帰ってくるとほっとするというのがあります。
<市長> 可児市はそういうまちなんですね。大勢の人が集まるとか、世界遺産があるとかでアピールするものはないけれど、住民が温かく、安心して暮らせるまち。安心しきってはいけませんが、災害も少ない所です。
先日、可児工業高校を卒業後、市内で就職した女性と話す機会がありました(広報かに平成28年11月1日号10ページ参照)。彼女が市外の人と結婚する時に、可児市に住むようにお願いしたそうです。その理由を尋ねると、「人」だと答えてくれました。会社の人も近所の人もとても親切で、こんな居心地の良い所からよそへ行くのが不安になると言ってくれました。
お二人が話してくれたとおり、可児市にはこれといったものはありませんが、安心して住めるというのがみんなの意見だと思います。
<國井> それから、花いっぱい運動や資源回収をみんなで行っているのはすごいと思います。近所の人とコミュニケーションを取れるというのも、可児市の良いところだと思います。
<市長> 一般的に人口が10万人を超えると、コミュニティのつながりがなくなってくると言われています。可児市は人口が10万人を超えてもコミュニティのつながりがちゃんと守られています。安心して暮らせるという点で、全国の見本になれる自治体です。
<光永> 子どもの登下校でも、おじいさんやおばあさんが見守ってくれているので、すごく安心します。
<國井> 私も子どもの頃に転んでけがをしたことがあって、子ども110番の家に助けていただいたことがあります。
<議長> 実は子ども110番の家は、可児市で最初に始まって、そこから全国に広がった活動なんですよ。
<國井> そうなんですか。それもコミュニティのつながりがあるからこそできたことだと思います。子ども110番の家があちこちにあるのが心強くて、私たちも安全に通学できました。登下校中に転んでも、あそこに行けば大人がいるから頑張ろうと言っていました。
●将来も可児市に住み続けたい?
<光永> 可児市は住み心地がすごく良いので、ずっと住みたいという気持ちはあります。就職の結果によってどうなるか分かりませんが、自分に合った企業が可児市で見つかればいいなと思います。
それから、最近友人と話していると、お金は最低限生活していけるだけでいいから、自分の時間が欲しいと言いますね。
<議長> 今はそのように考える人が多いようですね。高校生と商工会議所が地域の課題について話し合う会を開催したときも、自分の時間を大切にする印象を受けました。
<市長> 可児市の企業は従業員を大切にしていますよ。技術は優れているけれどあまり知名度がないので、来てくれる人を大切にしている訳です。
<光永> そういう情報もなかなか伝わってきません。<市長>から「可児市の企業は素晴らしい」ということを売り出していただければ、若い人が市内の会社を選ぶきっかけになるかもしれません。
<市長> 可児市が進めている「わくわくワークプロジェクト」では、従業員を大事にしている市内の企業をPRしていこうと考えています。
住み心地の良いまちで、従業員を大事にしてくれる企業で働きたいと思う人は都会にもいると思います。そういう人たちに情報を届けて、良かったら可児市に来てくださいという取り組みです。その情報を届ける役割を若い人たちにも担っていただけるとありがたいと思います。
<國井> 私は国家公務員になりたいので、大学院を目指しています。可児市には親もいますし、住んでいたいと思いますが、無理かもしれません。
<市長> やりたい仕事があって、それができる所に行くというのは自然なことです。可児市を離れても、ずっとふるさとだと思っていてくれればうれしいですね。
<國井> もし可児市に住めなくても、いずれ戻って来たいですね。年を取ってのんびりできるようになったら、可児市で過ごしたいと思います。
●これからのまちづくり
<議長> 若い人が可児市を素晴らしい所だと言ってくれるものを次の世代につなげられるように、若い人の意見をしっかり吸い上げて努力していきたいと思います。
お二人とも若いので、いろんな夢があると思います。挑戦してここから巣立つことも非常に重要です。その中で可児市をふるさとと思ってもらえるといいですね。ぜひ夢に向かって頑張ってください。
<市長> 今日お話を聞いて、若い皆さんがこれからのことをしっかり考えていることにすごく感心しました。
まずは正しい情報を多くの人に伝えて、可児市で暮らしたいと思う人に来てもらうことが大切です。若い皆さんに情報を届けることのできるやり方を工夫していきたいと思います。
これからも、いろんな機会に話を聞かせてください。可児市らしい良さの漂う、また帰って来たいと言われるような、そんなまちにしたいとあらためて思いました。ありがとうございました。
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