更新日:2010年8月26日
損益通算とは
損益通算とは、所得の種類が複数あり、その所得が黒字であればそのまま合計をしますが、損失(赤字)が生じている所得がある時には、一定の順序でその損失を他の所得から差引くことをいいます。
ただし所得の種類によって、損益通算の順序や損益通算のできるものと、できないものがあるため注意が必要です。
主な損益通算の可否は下表のとおりとなっています(損益通算のできる損失であっても、損失の内容によっては例外的にできないものがあります)。
損益通算のできる損失 |
損益通算のできない損失 |
- 不動産所得の損失
- 事業所得の損失
- 山林所得の損失
- 譲渡所得の損失 など
利子、給与、退職所得については損失が生じないものとされています |
- 配当所得の損失
- 一時所得の損失
- 雑所得の損失
- 非課税所得の損失
- 生活に通常必要でない資産の所得の計算上生じた損失
- 土地建物等の譲渡所得の損失
- 株式等の譲渡所得の損失(※)
- 先物取引の雑所得の損失 など
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※ 平成21年1月1日以降生じる上場株式等の譲渡所得の損失については、上場株式等配当所得との損益通算(差引き)ができるようになっています。
損失の繰越控除について
損益通算を行ってもなお、控除しきれない損失がある時は、申告を行うことによって例外的に、その損失金額を翌年以降3年間の各年で発生する所得金額から繰り越して控除できる場合があります。これを損失の繰越控除といいます。
また、居住用財産の買換えや譲渡した結果、損失が発生した場合についても一定の条件を満たした上で、申告を行うことによって損益通算や損失の繰越控除ができる場合があります。
なお、所得税で認められている繰り戻し還付の制度については、市・県民税では適用がありません。
合計所得金額と総所得金額について
合計所得金額とは、損益通算を行った後の所得金額の合計額のことをいいます。
なお、分離課税の譲渡所得がある場合は、特別控除前の金額が加算されます。
また、総所得金額とは損益通算を行い、さらに損失の繰越控除などを行った後の所得の合計金額をいいます。損益通算や損失の繰越控除がなかった場合などは、合計所得金額と総所得金額は同額となります。