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スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の防除について

更新日:2023年11月10日

 

今年(令和5年)、今地区の水田でスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の成貝と卵(塊)が確認されました。

 

スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)とは

来歴

南米原産の淡水性巻貝で、1980年代に食用として輸入されたものが、養殖場から逃げ出したり、野外に放棄されたりして、水田や農業用排水路に侵入、野生化しました。

 

特徴

成貝

大型の巻貝で殻高概ね3cm程度ですが、5cm以上になる個体も。殻色は黄褐色や黒褐色で縞模様があります。1対の長い触覚を備えています。

 

スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の成貝

○スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の成貝

(写真提供:岐阜県農産園芸課)

 

卵(塊)

直径約2mmの球形でピンク色をしており、数十から数百からなる卵塊として水面より高い位置(水路や稲、雑草の茎等)に産み付けられます。2~3週間でう化し、2か月程度で成貝になり、繁殖を始めます。

 

スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の卵塊 水路内のスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の卵塊

○スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の卵塊

(写真提供:岐阜県農産園芸課)

 

生態

繁殖力が強く、雑食性でやわらかい葉を好んで食べるため、苗を移植後の水田(田植え後3週間程度まで)に大きな被害をもたらします。亜熱帯生物の為、寒さに弱いですが、雑草の下や土中に潜った個体は越冬し、水田に水が入る時期になると活動を再開します。

 

※成貝は人体に有害な寄生虫(広東住血線虫)がいる場合があり、卵内部には神経系の毒があるので、素手では扱わないよう注意しましょう。(素手で触った場合は、石鹸等でよく手を洗います。)

 

 

防除対策について

スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)は食害を引き起こし、農業や生態系に悪い影響を及ぼす恐れのある生物です。その防除は、一部の水田で行うだけでなく、水路や農道でつながっている周辺の田畑の耕作者が連携・協力して、一体的に取り組むことが効果的です。有効な防除対策は、時期や場所によって異なりますので、以下を参照してください。

 

秋冬の対策

秋期の石灰窒素の散布

水温が17℃以下の時期に、殺貝効果のある石灰窒素を散布します。

 

冬期の耕うん

土壌が乾燥して固い時期(1~2月)に、土壌を細かく砕くように耕うんします。成貝の物理的な破砕を行うと共に、厳寒期の寒風にさらします。

 

冬期の水路の泥上げ

殺貝効果が高まる厳寒期(1~2月)に、越冬場所をなくし、越冬個体を寒風にさらすため水路の泥上げを行います。

 

春夏の対策

田植え前の石灰窒素の散布

水温が17℃以上の時期に、殺貝効果のある石灰窒素を散布します。

 

水口網の設置

水路等で越冬した貝の侵入を防止するために、取水口・排水口に9mm目合い程度のネットや金属網を設置します。

 

田植え時の薬剤散布

貝の発生状況に応じて、田植え時に薬剤を全面散布します。貝が集まりやすい深水部分への重点的な散布も効果的です。

 

田植え後の浅水管理

田植え後3週間程度の間、水深を3cm以下に管理することで、貝の活動が抑制され、被害を抑えることができます。

 

成貝発見時の捕殺

ほ場、用排水路等で成貝を発見した場合は、必ず捕殺を行ってください。

 

卵塊の除去

卵塊は水中ではう化できないので発見時に水中に落とすか、拡散を防ぐためにつぶしましょう。

 

関連ホームページ(リンク)

岐阜県

 「ジャンボタニシの被害対策について」(外部サイト)

「ジャンボタニシ被害対策マニュアル」第2版(PDFファイル/4.5MB)

 

農林水産省

 「スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の被害防止対策について」(外部サイト)

 

環境省

 「防除に関する手引き(防除マニュアル)」(外部サイト)