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市長の部屋から(18)「公共交通の課題」

更新日:2012年9月26日

公共交通の課題


公共交通は、医療などと並んで、地方の市町村の大きな弱点の一つです。特に、急激な高齢化が進む中で、お年寄りが病院に行ったり、買い物に行ったりする足をどう確保するかが、既に大きな課題となりつつあります。
可児市の公共交通機関は、三段階に分けて考えることができます。一つ目は、広域基幹路線です。名鉄広見線、JR太多線を軸に、高速バスも含めて都市間を結ぶ主要交通機関です。二つ目は、地域基幹路線です。市内および周辺地域を結ぶバス路線がこれに当たります。三つ目は、市内巡回路線です。市が運営している「さつきバス」と「電話で予約バス」です。
これら3つの路線がうまく補い合って、可児市の公共交通網を形成することになります。さらに公共交通を補う形で、帷子地区と桜ケ丘地区では、市民ボランティアによる高齢者の移動支援サービスが始まっています。
しかしながら、できる限り利用しやすくするために、不断の見直しも必要です。「さつきバス」と「電話で予約バス」の利用状況を検証して、当初10路線あった「さつきバス」を4路線にし、「電話で予約バス」を6路線に増やしています。
また、東鉄バスでは、可児高校や可茂特別支援学校に通う生徒の利便性を高めるために、路線やダイヤの変更を検討していただいています。
地方都市は車中心の社会が出来上がってしまっており、公共交通の維持が困難です。可児市では、名鉄広見線に3000万円、民間バス路線に約500万円、「さつきバス」に約4500万円、「電話で予約バス」に約900万円、「YAOバス」に約800万円と、全体で年間に1億円近い税金を投入しています。
公共交通の維持のためには、公的負担もやむを得ませんが、市民の皆さんにご協力いただきながら、いかに効率的で利用しやすい公共交通網を形成していくか、検討を進めていかなくてはなりません。特に、高齢者や学生など、公共交通への依存度が高い方々の利便性の向上を目指した、公共交通体系案を策定したいと考えています。

市長 冨田成輝


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