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市長の部屋から(14)「可児市の税収について」

更新日:2012年6月7日

可児市の税収について


 可児市の平成22年度一般会計の歳出決算額は約265億円でした。このうち、社会保障費をはじめ法律などで義務的に必要な経費などは約229億円、総額の86・5%を占めました。生活道路や公園などの建設や改修などに充てる投資的経費は残額の約36億円です。
 一方、市民の皆さんからいただく市民税や固定資産税などの市税は、歳入全体の48・6%、約139億円です。当然ですが、税金は高いよりも安い方が喜ばれます。例えば、可児市が10%減税しようとすると、市民税は約52億円ですので、約5億円となります。先に述べた市の裁量で使える金額約36億円に比べると約14%に相当します。
 今年も4月に固定資産税と都市計画税の納税通知書をお届けしましたが、これらの平成24年度の税額は23年度と比べると、合わせて約5億円減る見込みです。ちょうど金額的には市民税10%の減税と同額となります。この傾向が続けば、市独自の事業に使えるお金がますます厳しくなってしまいます。
 平成14年度以降21年度まで、市税の総額は歳入全体の50%を超えていました。しかし、前述したように、平成22年度の決算では、48・6%にまで落ち込みました。昭和40年代から増加し続けてきた人口も、平成22年11月から減少に転じました。
 少子高齢化は避けられません。高齢者はまだまだ増えます。であれば、安気(あんき)に暮らしていただき、できるだけ医者にかからずに、介護の世話にならずに済むような環境を整えなければなりません。逆に高齢者を支える若者は減っていきます。であれば、高齢者を支えてもらえる若者が住みついてもらえるような地域にしなければなりません。さらに、福祉を支える(財源を支える)地域経済の活性化や、公共施設をはじめとする「街」の老朽化などへの対応も、しっかりと進めなければなりません。
 そのためには、肥大化した行政サービスから脱却し、新しい社会システムに向けての取り組みが不可欠です。本当に税金を使わなければならないところと、そうでないところをしっかりと見極める必要があります。皆さんからいただいた貴重な税金を、消費し合うのではなく、互いに支え合い、生かし合うことが、現在の、そして将来の可児市の社会づくりのための投資となっていくのです。


  • 可児市人口の推移・推計(年齢3区分)
  • 高齢者を支える人は減少

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