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可児市で暮らしている貴重な動物

更新日:2022年1月28日

ここでは、市内で暮らしている貴重な植物の一部を紹介しています。見たい植物の名前をクリックしてください。

なお、このページは岐阜県レッドデータブック(動物編)改訂版を参考に作成しています。

ヒメヒカゲ(タテハチョウ科)
ヒメヒカゲ
環境省 絶滅危惧IA類(本州中部亜種) 岐阜県 絶滅危惧I類
特徴

翅を広げた大きさが35mm程度のタテハチョウの仲間で、翅表は黒褐色で斑紋がありません。翅裏は橙褐色で眼状紋が現れますが、個体変異が大きく、蛇の目紋の数が異なります。成虫は5月下旬〜7月上旬に出現します。湿地の草地上を飛び、すぐに止まることが多いですが、時として100m以上移動します。東濃地域での食草は主にカヤツリグサ科の植物です。幼虫の状態で越冬しています。

分布状況 本州の長野県・群馬県、東海地方および中国地方を中心に分布しています。県内では、かつては東濃地域の湿地に比較的普通に見られましたが、現在は局所的に発生している状況です。生息している場所は、丘陵地の斜面や谷間の明るい湿地で、砂礫質の湿地自体より内外の草地を好み、周辺に低木が自生している場合が多いようです。   
その他 東濃地域の湿地を代表するチョウですが、衰退傾向が顕著となっています。
 ギフチョウ(アゲハチョウ科)
ギフチョウ 
環境省 絶滅危惧II類 岐阜県 準絶滅危惧
特徴 翅を広げた大きさが50mm前後の蝶で、翅全体が黄と黒の縞のだんだら模様、後翅に赤・橙・青の斑紋があります。成虫は年1回、3月下旬〜6月上旬に出現しますが、発生する場所の標高や雪解けの時期により羽化時期は大きく異なります。成虫はカタクリ、スミレ類などの花で蜜を吸います。幼虫の食草はウマノスズクサ科のカンアオイやウスバサイシンなどです。
分布状況

日本の固有種で、本州のみに分布しており、北は秋田県から南は山口県まで見られます。県内では高山帯、亜高山帯、平野部を除くほぼ全域に確認記録があります。美濃地方では低山地の落葉広葉樹林やアカマツ林に、飛騨地方では山地のブナ林や高層湿原の周辺など早春に太陽が地表に射し込むような林に生息しています。

その他 このチョウは、名和靖氏により1883年に現在の下呂市金山町祖師野で初めて採集され、県の名前にちなんでギフチョウと名付けられました。
グンバイトンボ(モノサシトンボ科)
グンバイトンボ
環境省 準絶滅危惧 岐阜県 準絶滅危惧
特徴

翅の長さ20mm前後で、雄の足には前足を除いて白い軍配状のひれのようなものがあります。体の色は雄は黄緑色、雌は黄緑色で背が黒色で腹長は30mm前後です。成虫は5月上旬〜8月上旬頃に出現します。雄同士の縄張り争いや雌に対する求愛飛翔の際に、軍配状の白い肢を広げます。※写真はオスになります。

分布状況

日本固有亜種で、関東以西の本州、四国、九州に分布しています。県内では美濃地方の瑞浪市、恵那市、御嵩町、恵那市蛭川などにも確認記録があります。数ヶ所の産地があるようですが、いずれも不安定な場所で個体数も多くありません。丘陵帯に生息し、谷間の湧水があるような緩やかな流れのある湿地などに見られます。

その他
モウセンゴケトリバ(トリバガ科)
モウセンゴケトリバ
環境省 指定なし 岐阜県 情報なし
特徴 翅を広げた長さ9〜11mmの蛾で、鳥の羽毛のような翅に長い脚をもった様は蚊に似ています。前翅は黄土色に黒褐色を帯び、後翅は黒褐色です。幼虫は食虫植物であるモウセンゴケやコモウセンゴケ(モウセンゴケ科)を食草としており、食草が分泌する粘着液に対する防御機構を備えるなど特殊な生態をもっています。成虫は6月から10月まで見られます。
分布状況 ミズゴケやモウセンゴケなどが自生する山の麓や丘陵地の明るい湿地に限って生息しています。北海道、本州に分布しており、隣県では愛知、三重で確認されています。県内では美濃地方の御嵩町でも確認されています。
その他
カイツブリ目(カイツブリ科)
カイツブリ
環境省 指定なし 岐阜県 準絶滅危惧
特徴

全長27cm位でハトより一回り小さく、体上面は黒褐色で、夏羽では頬から前頸が赤褐色になりますが、冬羽では黄褐色になり、体毛は、雌雄同色です。留鳥で、繁殖期は4月〜7月、水生植物やヨシが繁茂する池沼で繁殖します。水生植物の茎に巣を引っかけ、流れないようにするだけでなく、水位に合わせて上下するようにしており、「浮き巣」とよばれています。冬季は広い水面で群れで生活します。

分布状況 丘陵帯の池や沼、淡水域から汽水域の河川に生息しており、繁殖期は水草の多い場所、冬季は広い内水面に好んで生活しています。北海道から九州、南西諸島の水辺に広く分布し、県内では、岐阜市、各務原市、関ヶ原町、池田町、海津市などの池・河川でも繁殖が確認されています。          
その他
オシドリ(カモ科)
オシドリ(オス)
環境省 情報不足 岐阜県 準絶滅危惧
特徴 全長45cm位で、雄の風切羽の1枚がオレンジ色で帆のように立っており銀杏羽と呼ばれています。雄は派手な色彩をしていますが、雌は全体に灰褐色で地味です。留鳥で、池や渓流近くの森林で繁殖し、大木の樹洞を巣としています。雛は孵化すると落ちるように地上に落下しますが、親鳥は安全な所に雛を誘導して大きくなるまで見守ります。ドングリの実が大好物です。※写真はオスになります。
分布状況 繁殖期には丘陵帯から山地帯の池や沼、渓流に生息し、冬季は岩場の多い河川で生活することがある一方、大木のある寺社林や公園でも繁殖します。北海道、本州中部以北で繁殖し、冬季は本州以南に移動します。県内では、高山市、白川村、郡上市、山県市、揖斐川町などで繁殖しています。
その他
ヒメタイコウチ(タイコウチ科)
ヒメタイコウチ
環境省 指定なし 岐阜県 絶滅危惧II類
特徴

全長20mm前後で、体は黒褐色です。前足は腕の部分が太く先には鋭いつめがあり、体の後ろについている呼吸管は長く、口はセミのように細長い棒状になっています。4月下旬から6月にかけて水際近くの土やコケの上に産卵し、ふ化した幼虫は秋に成虫になり、成虫の状態で越冬します。

分布状況

水生昆虫で湿地に生息していますが、生息場所は湧水付近のコケの間や水深の浅い湿地、小さな水路の落葉間や水草の根ぎわなどです。東海地方と兵庫県の限られた狭い範囲に分布しており、県内では美濃地方の各務原市、関市、多治見市、土岐市、恵那市、瑞浪市などでも確認記録が見られ、主として東濃地域に分布しています。

その他  
 ミドリシジミ(シジミチョウ科)
ミドリシジミ(メス) 
環境省 指定なし 岐阜県 絶滅危惧II類
特徴

翅を広げた大きさが約35mmの蝶です。雄の翅表は金属光沢のある緑色、雌は黒褐色で橙色、青紫色の斑紋の現われ方の組み合わせで4型に分かれます。後翅端に尾状突起があります。成虫は、低地では6月上中旬、山地では7月上旬頃出現し、昼間は不活発ですが、夕方になると活発に活動して、雄は占有性を現し、占有領域に入ったものを激しく追飛します。越冬態は卵で、卵は食草のしわの部分などに1〜2個、太い幹では十個以上まとめて産み付けられます。※写真はメスになります。

分布状況

食草であるハンノキの自生する湿地に群れをなして生息することが多いですが、山地では必ずしも湿地に生息するとは限らないようです。北海道、本州、四国、九州および周辺離島に分布しており、県内では、ほぼ全域に生息地が知られています。

その他