更新日:2022年1月28日
ここでは、市内で暮らしている貴重な植物の一部を紹介しています。見たい植物の名前をクリックしてください。
サクライソウ(サクライソウ科) |
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環境省 |
絶滅危惧IB類 |
岐阜県 |
絶滅危惧I類 |
特徴 |
葉緑素を持たない菌従属栄養植物(栄養を菌類から奪って生きる植物)で淡黄色の多年草です。地中に根茎があり、5月頃から地上に高さ5-20cmの花茎をのばし、7月に開花します。ヒノキ林や常緑広葉樹林などのやや湿った林床に生育しています。 |
分布状況 |
中部地方と奄美大島に見られ、岐阜県では数か所に点在しています。可児市では久々利柿下入会地内に国の指定文化財として保護されている自生地があります。
可児市の文化財はこちらから
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その他 |
とても小さく色も目立たないので、落ち葉に紛れてやや暗い林の中では探すのがとても難しいです。観察する場合は踏まないよう十分注意が必要です。 |
ヒメミミカキグサ(タヌキモ科) |

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環境省 |
絶滅危惧IB類 |
岐阜県 |
絶滅危惧I類 |
特徴 |
浅く水が溜まる湿地に生育しています。地下に細い茎があり、そこから線形の葉を出しますが、ほとんどが泥の中にあるため、花のない時期に観察するのはとても難しい植物です。8-10月頃、高さ1-3cmの花茎をのばし、先端に2-3mmの花をつけます。泥の中に捕虫嚢(虫むしを捕まえる袋)を持つ食虫植物の仲間になります。 |
分布状況 |
東海地方の固有種になります。岐阜県では県南の中部にみられ、市内では東部の一部の湿地にみられます。 |
その他 |
市内では、ムラサキミミカキグサ、ホザキノミミカキグサ、ミミカキグサも生息しています。 |
ホンゴウソウ(ホンゴウソウ科) |
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環境省 |
絶滅危惧II類 |
岐阜県 |
絶滅危惧I類 |
特徴 |
葉緑素を持たない菌従属栄養植物で紫褐色の多年草です。地中に白色の根茎を持ち、7-10月に高さ3-10cmの地上茎をのばし、先端に雄花、その少し下に雌花をつけます。やや湿った林床に生育しています。 |
分布状況 |
本州、四国、九州、沖縄でみられ、岐阜県では県南の中部、西部に点在しています。市内では東部でみられます。 |
その他 |
2019年9月に市内で新たに発見されました。小さく色も濃いので、見つけるのはとても難しいですが、別の植物を探すため林床を観察していたところ偶然発見されました。 |
ハナノキ(カエデ科) |
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環境省 |
絶滅危惧II類 |
岐阜県 |
絶滅危惧II類 |
特徴 |
湿地や沢の付近などに生育する落葉高木で、高さ30m、直径1mに達します。雄と雌が別の木で、3月下旬から4月中旬にかけて、葉が展開する前に鮮やかな紅色の花をつけます。また、晩秋には葉が美しく紅葉するため、街路樹や庭園木として植えられることもあります。 |
分布状況 |
長野・岐阜・愛知県にのみ分布し、岐阜県では県南の中東部にみられます。市内では、東部にみられます。久々利地内には市指定文化財として保護されている自生地があります。
可児市の文化財はこちらから
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その他 |
木全体が赤く見えるほどの花をつけるためハナノキと名付けられました。 |
ヒトツバタゴ(モクセイ科) |
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環境省 |
絶滅危惧II類 |
岐阜県 |
絶滅危惧II類 |
特徴 |
落葉高木で高さは30mほどになるものもあります。5月頃に樹木の上部の枝葉が茂っている部分いっぱいに白色の花を咲かせます。花冠は4つに深く切れ込んでいて、それぞれ2cmほどの細長い形をしています。
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分布状況 |
対馬北端や長野県、岐阜県、愛知県のごく狭い範囲に分布しており、岐阜県では県南の東部の丘陵帯でみられます。市内では東部にみられ、市指定文化財として保護されている自生地があります。。
可児市の文化財はこちらから
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その他 |
別名としてナンジャモンジャと呼ばれています。 |
ミカワバイケイソウ(シュロウソウ科) |
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環境省 |
絶滅危惧II類 |
岐阜県 |
絶滅危惧II類 |
特徴 |
低地の湿地に生育する多年草です。太く短い地下茎があり、3月中旬から地上茎をのばし始め、4月下旬から5月下旬に開花します。6月には葉はほとんどなくなり、地上部は7月中には枯れてしまいます。花径は80-150cmの高さになり、たくさんの白い花をつけます。 |
分布状況 |
東海地方の固有種で、岐阜県では県南の東部と中部の標高900m以下でみられます。市内では東部にみられます。柿下地内で市の指定文化財として保護されている自生地があります。
可児市の文化財はこちらから
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その他 |
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キキョウ(キキョウ科) |

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環境省 |
絶滅危惧II類 |
岐阜県 |
準絶滅危惧 |
特徴 |
明るい草地に生える多年草です。太い根茎が地中深くに伸びており、茎は高さ50-100cm、7-8月に茎の上部に数個の花をつけます。花は通常は青紫色ですが、淡紫色や白色のものもあります。昔は秋の七草にも数えられるくらい普通にみられましたが、生育地の消失や園芸採取により激減してしまいました。 |
分布状況 |
北海道から九州に分布しており、岐阜県では県南中東部および県北の一部に分布しています。市内では東部で確認されています。 |
その他 |
明智光秀の家紋はキキョウをモチーフとしています。 |
サギソウ(ラン科) |

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環境省 |
準絶滅危惧 |
岐阜県 |
絶滅危惧I類 |
特徴 |
丘陵地の湿地に生育しており、花期は7-8月で、高さ15-40cmの茎の先端付近に1-3個の白い花をつけます。サギが羽はねを広げて飛ぶような姿は可憐で、園芸でもとても人気があります。湿地の開発に加え、盗掘被害により減少したと考えられています。 |
分布状況 |
本州、四国、九州に広く分布し、岐阜県では県北、県南中東部にみられます。市内では東部にみられます。 |
その他 |
湿地に舞う白鷺の姿は美しく人気があるため、盗掘される事例があるとのことです。増殖品がホームセンターなどで購入できるので、自生株は自然のまま見守りましょう。 |
エビネ(ラン科) |

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環境省 |
準絶滅危惧 |
岐阜県 |
絶滅危惧II類 |
特徴 |
山地で日陰のやや湿った林床に生育しています。葉は常緑で長さ約20cm、幅5cmで、花茎は高さ約40cm、4-5月に直径約4cmの花を多数つけます。昔は普通にみられるランのひとつでしたが、1970年代後半のエビネブームにより乱獲され激減してしまいました。 |
分布状況 |
北海道から沖縄まで全国に分布しており、岐阜県では県北南部以南にやや広く分布しています。市内では東部と西部にわずかに確認されています。 |
その他 |
栽培品が容易に手に入るので、自生株は自然のまま見守りましょう。 |
カザグルマ(キンポウゲ科) |
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環境省 |
準絶滅危惧 |
岐阜県 |
絶滅危惧II類 |
特徴 |
沢沿いや湿地などで周りの木に絡みつきながら、高い位置まで登るつる性植物で、5-6月に直径10cmほどの淡紫色または白色の花をつけます。花びらに見える部分はがく片であり、花びらはありません。林縁や原野など、人里に近いところで美しい花を咲かせるため、盗掘の被害にあいやすい状況です。 |
分布状況 |
本州、四国、九州北部に分布しており、岐阜県では県南の中部から東部でみられます。市内では東部でわずかにみられます。 |
その他 |
かつては市内でも普通にみられたようですが、現在は数か所で確認されているのみです。 |
シデコブシ(モクレン科) |
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環境省 |
準絶滅危惧 |
岐阜県 |
絶滅危惧II類 |
特徴 |
低地の湿潤なところに生育する落葉の小高木で、高さは5mくらいのものが多いですが、ときには10m以上になるものもあります。花は3-4月に咲き、色は白いものからやや濃紅色のものがみられ、花が終わるころに葉が出始めます。里山の利用によって保たれてきた種なので、森林の管理放棄などにより大木が茂ると日当たりが悪くなり、枯れてしまう木が増えています。 |
分布状況 |
東海地方に固有であり、岐阜県では県南の中部から東部でみられます。市内では東部の湿地や沢沿いに多くみられ、西部では鳩吹山に自生地があります。 |
その他 |
鳩吹山の自生地は、市の天然記念物に指定されています。自生地付近は立入禁止だが、登山道から満開のシデコブシを見ることができます。 |
セッコク(ラン科) |

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環境省 |
指定なし |
岐阜県 |
絶滅危惧I類 |
特徴 |
山地の樹幹や岩の上に多数の根を出して落ちないように着生する多年草です。高さは5-25cmで、前年に葉があった円柱形の多肉茎の先端に甘い香りがする白色~淡紫色の花を5-6月に付けます。 |
分布状況 |
本州、九州、四国、沖縄まで分布しており、岐阜県では県南に分布しています。市内では北西部に自生地があります。 |
その他 |
花が美しいことから園芸目的での採取が多発し、自生地が大幅に減少してしまっています。自生株は自然のまま見守りましょう。 |
ムヨウラン(ラン科) |

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環境省 |
指定なし |
岐阜県 |
絶滅危惧I類 |
特徴 |
薄暗い常緑広葉樹林の林床に生育する多年草で葉緑素を持たない菌従属栄養植物です。5月頃に30-40cmの花茎をのばし、黄褐色の花をつけます。花が終わると全体が黒くなって、地上部が翌年まで残ることがあります。 |
分布状況 |
本州から沖縄まで分布しており、岐阜県では県南中部でまれにみられます。市内では東部にみられます。 |
その他 |
ムヨウランとよく似た、エンシュウムヨウラン(県:絶滅危惧II.類)も同じような環境でみられます。花が咲いていないと枯れ枝に紛れてしまうため探すのが難しい植物です。 |
イワオモダカ(ウラボシ科) |

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環境省 |
指定なし |
岐阜県 |
絶滅危惧II類 |
特徴 |
常緑性のシダで、根茎は短く這い、葉は掌状に3-5裂して、革のように固くて厚くなります。山地の岩上や樹幹で生育しており、川岸や岩場などの不安定な場所のため、適した生育地が少ない状況です。 |
分布状況 |
北海道から九州にかけて分布しており、岐阜県では県南の石灰岩や凝灰岩地帯に分布しています。市内では、東部と西部でみられます。 |
その他 |
この名前は、葉の形が池沼に自生するオモダカに似ていることに由来しています。久々利地内の自生地は、市の天然記念物に指定されています。 |
トウカイコモウセンゴケ(モウセンゴケ科) |
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環境省 |
指定なし |
岐阜県 |
準絶滅危惧 |
特徴 |
東海地方の湿地に生育する多年草で、長さ1-2cmのさじ型の葉の表面には紅紫色の粘液を出す毛があり、この粘液で小型の昆虫などを捕らえて栄養にする食虫植物です。6-9月に高さ5-15cmの花茎に、淡紅色の5弁の花をつけます。 |
分布状況 |
東海地方から近畿地方の太平洋側に分布する。岐阜県では県南の中東部でみられます。市内では東部の湿地に多くみられ、西部にもわずかにみられます。 |
その他 |
市内の湿地ではしばしば群生がみられます。しかし、生育環境はとても限られるため、湿地の保全が必要です。 |