更新日:2026年2月24日
令和8年度 施政方針
令和8年度当初予算案をはじめとする、諸議案のご審議をお願いするにあたり、私の市政運営に関する所信を申し述べ、市民の皆様、並びに議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げます。
令和8年度の基本方針
いま私たちの暮らしは、歴史的な転換期を迎えている日本の金融政策に伴う「国内経済の変化」と、緊迫する国際情勢を背景とした「エネルギー・原材料コストの高騰」という二つの大きな波に直面しています。
働く方々の給与、いわゆる名目賃金は前年を超える高い伸びを示しており、これは長らく停滞していた日本経済にとって歓迎すべき状況ですが、その一方で、消費者物価指数は4年連続で前年比を上回り、令和7年も3.2%の上昇となったことが示すとおり、賃金の伸びを上回る勢いで物価高騰が続いています。このため、実質賃金は依然としてマイナスの状況を脱しておらず、これによる家計の負担増が市民の皆様の日々の生活に重い負荷をかけていると認識しております。
この負担増に対して、国は、ガソリン税と軽油引取税のいわゆる暫定税率の廃止、消費税減税・給付付き税額控除の検討といった税制改正や、電気・ガス料金への支援、子ども1人当たり2万円の物価高対応子育て応援手当の給付、重点支援地方交付金の大幅拡充による生活者・事業者支援など、高市内閣のもとで、国民生活と経済活動を支える経済対策に力を入れて取り組んでいます。
また、こうした経済対策と同時に、地方創生についてはこれまでどおり重要政策の一つに位置づけられており、高市首相の「地方の活力はすなわち日本の活力である」という言葉には、地方の潜在力を最大限に引き出すことこそが、国全体の成長と豊かな国民生活の実現に不可欠であるという強い認識が込められています。
地方創生は、「強い経済」と「豊かな生活環境」の基盤に支えられる多様性の好循環により、「新しい日本・楽しい日本」を創ることを目標としています。
本市では、地方創生に関する国の方向性を踏まえ、本市の持つ強みを活かした主体的かつ独創的な取り組みを進め、住みごこちの良さをさらに高めることで、市民の皆様一人ひとりの本市への愛着と満足度を向上させ、持続可能なまちを目指してまいります。
令和8年度は、現市政経営計画の計画期間の3年目にあたります。「高齢者の安気づくり」、「子どもの笑顔と子育て世代の安心づくり」、「地域・経済の元気づくり」、「まちの安全づくり」の4つの重点方針やそれぞれの重点施策に繋がる各事業のこれまでの成果・課題を整理しつつ、時々刻々と変化する社会情勢や、市民の皆様のニーズにも的確な対応を図りながら、目指す将来像である「住みごこち一番・可児~すこやかに、にぎやかに、おだやかに暮らせるまち~」の実現に向けた取り組みを加速化していく重要な一年と考えております。
令和8年度の可児市一般会計予算案は、前年度比8億円、2.1%増の393億3000万円としました。給与改定に伴う職員人件費や生活・福祉サービスに係る扶助費などといった義務的経費が増加するとともに、物価高に伴う委託費などの諸経費も増加となりました。
なお、介護保険特別会計などの増加もあり、特別会計及び企業会計を含めた予算総額は、前年度比19億6480万円、2.9%増の691億2920万円となりました。
新たな年度を迎えるにあたり、私が何よりも大切にしたいのは、市民の皆様一人ひとりの笑顔と、未来への確かな希望です。国際情勢や物価の変動など、取り巻く環境は決して平坦ではありませんが、本予算の執行を通じて、市民の皆様の日常の安心と活気を守り、さらに豊かなものにしていきたいと考えております。
高齢者の安気づくり
総務省統計局によれば、昨年9月の日本の65歳以上人口は、前年に比べ5万人減少したものの、総人口に占める割合は29.4%と過去最高となっています。この高齢化の波は、本市においても例外ではなく、昨年4月1日現在の本市の高齢化率は29.18%と、国とほぼ同じ割合であり、こちらも過去最高を更新しています。
高齢化率の上昇とともに要介護認定者の割合も増加していますが、その一方、就労やボランティア、地域活動などに積極的に参加しておられる方も多くいらっしゃいます。こうした現状を踏まえ、高齢者の安気づくりにおいては、介護予防や健康増進、地域の見守りに関する取り組みをさらに充実させるとともに、高齢者の皆様がその豊富な知識、経験、能力を活かし、健康的で活動的な生活を送ることができるような環境整備に取り組んでまいります。
介護予防・健康増進に関しては、市民の皆様の健康づくりと継続的な運動習慣の定着を図ります。現在、市内30カ所36教室で開催し、大変好評をいただいている「まちかど運動教室」について、市公式LINEを活用した参加履歴の記録や開催情報の連絡手法を整えることで、効率的、かつ、わかりやすい教室運営を行い、より多くの方に定期的な運動の機会を提供できるように努めます。このほか、「歩こう可児302」の取組の一環として、民間企業との包括連携協定を活用したウォーキング企画を実施します。
また、高齢者の社会的な孤立や認知機能の低下の大きな要因とされている高齢期の難聴に関して、正しい理解を深めるための啓発や補聴器購入補助などを行う「聞こえのフレイル予防事業」を新たに開始します。これにより、社会活動への参加を後押しし、認知症の発生リスクを軽減するとともに、高齢者の方の生活の質の向上に繋げてまいります。
高齢者の見守りに関しては、市公式LINEから届くメッセージに高齢者の方が応答することで、登録した家族の方などがその安否を確認できる「一人暮らし高齢者の見守りLINE」サービスを新たに提供し、緊急通報システム事業や民生委員・児童委員の皆様による定期訪問活動など、既に実施している取り組みを補完してまいります。
高齢者の皆様が、住み慣れた地域で、安心してご自身の望む暮らしを続けていくためには、日々の移動や外出を支える環境の整備も極めて重要です。これは、単なる利便性の向上に留まらず、高齢者の皆様の社会参加や生活の質の向上に直結するものです。
この点については、人流データなどの客観的な情報も参考に、市のコミュニティバスである「さつきバス」のダイヤや路線を再編し、高齢者の皆様の普段の買い物や通院など、ニーズに合わせた利用しやすい運行体制に見直しを進めます。
また、現在4地区で実施している市からの車両貸与による移動支援モデル事業については、新たに清水ケ丘地区を対象に加え、5地区での実施を図るとともに、既存地区の貸与車両も1台増加し、サービスの提供体制を拡充・強化します。
子どもの笑顔と子育て世代の安心づくり
地方創生の取り組みに関する国の考え方は、「人口減少そのものを食い止める」というものから、「当面の人口減少を受け止めたうえで必要な対応を図っていく」というものに移行しておりますが、少子化の傾向に歯止めをかけるため、子ども・子育てに関する政策については引き続き重視していくこととしています。これを表すように、子ども・子育て支援金制度やこども誰でも通園制度など、こども家庭庁を中心として、「こども真ん中社会」の実現のため、社会全体で子ども・子育てを支える取り組みが動き出しています。
本市においても、子どもたち自身にとっては「本市への愛着」を、子育て世帯の皆様にとっては「子育てのしやすさ」を、より感じていただけるような事業を力強く推進してまいります。
子どもたちが本市への愛着を育むためには、子どもの頃の笑顔あふれる体験が欠かせません。中日ドラゴンズスポンサーゲームや可児っ子海外交流訪問団の参加者数を拡大し、より多くの子どもたちに可児っ子だからこそできる貴重な体験を提供してまいります。
このほか、本市が全国に誇る劇場である可児市文化創造センター・アーラを舞台に「やってみたいこと」を、小中学校が自由に企画して実施できる機会を提供するとともに、子どもたちが地域の方々と触れ合い、地域の良さを知ることに繋がる地域団体が主催するイベントに必要な支援も行ってまいります。
また、私自身としても、本年度は、市内14校の小中学校などで本市の魅力を伝える授業をするなど、子どもたちの意見を直接聴いてまいりましたが、今後も、こうした子どもたちと触れ合う活動を継続し、本市の魅力や未来を語り合うことを通して、次代を担う彼らの心に、まちへの深い愛着を育んでまいりたいと考えております。
こうした体験機会の充実と並行して、さらに学びの場である学校環境の整備も着実に進めてまいります。令和6年度より取り組んでいる小中学校トイレの洋式化については、今後も計画的に整備を進めてまいりますが、近年の厳しい暑さ対策として、小中学校に冷水機を設置するとともに、体育館への空調設備の設置に向けた準備を進め、設置が完了するまでの間はスポットクーラーを配備します。また、登下校時における暑さ対策として、子どもたちの熱中症のリスクを低減し、安心して登下校ができるよう、児童生徒への塩分タブレットの配布を行うほか、地域の方や事業所の皆様の協力を得て、休憩スポットである「みまもりオアシス」を整備し、地域全体で子どもたちの健康を守る体制を整えます。
水泳授業については、天候に左右されない民間の屋内施設へ実施場所を切り替え、専門インストラクターによる丁寧な指導を組み合わせた、より充実した学びを提供してまいります。
不登校傾向にある児童生徒の学びの場の拡充にも継続して取り組んでまいります。スマイリングルームでは、通級児童生徒の状況に応じた適切な指導を実施できるよう、施設の環境整備を行ってまいります。また、学校へは登校できても教室に居づらい、入りづらいと感じている児童生徒の居場所として重要な役割を担っている校内教育支援センターについては、本年度までに6校の小中学校に開設をしておりますが、各学校の児童生徒の状況を踏まえて、令和8年度も新たに7校の小中学校に開設いたします。
子育てのしやすさに関わる取り組みとしては、子育て世帯の経済的負担を直接的に軽減するため、令和8年度より、公立小学校の給食費について、国の負担軽減に関する交付金では賄いきれない部分を、保護者の皆様ではなく市が独自に負担することで完全無償化を実現いたします。
中学校においては、食材費高騰分の市の負担を継続し、保護者の皆様の負担軽減を図ってまいります。
子育てに係る支援制度としては、令和8年度より、保護者の多様な働き方やライフスタイルに対応した支援を強化するため、0歳6か月から満3歳未満の未就園児を対象とした「こども誰でも通園制度」を実施いたします。市内中心部に位置し、外出時などにおいて立ち寄りやすい総合会館1階にその専用スペースを整備するとともに、必要な職員を配置して、子どもたちの健やかな育ちに繋がる環境を整えてまいります。この他にも、産後ケア事業における受け入れ対象者の拡充など、子育て世帯に寄り添ったサポートを実施してまいります。
地域・経済の元気づくり
我が国の地域経済を取り巻く環境は、インバウンドの増加や雇用情勢の改善など、前向きな動きが見られる一方、全国的な物価高騰や人口減少に伴う事業者の担い手不足は、地域経済の持続的な成長を阻害する一因となっています。
本市では、物価高騰に対しては、令和7年度補正予算で対応した一人当たり6千円のKマネーの配布や水道基本料金の減免について、令和8年度に実施してまいります。また、担い手不足に対しては、「若者や女性に選ばれるまち」を推進し、地域社会全体の活力を高めることで対応を図ってまいります。
本市には、若者や女性がその個性や意欲を存分に活かせる職場が数多く存在し、実際に、そうした職場でいきいきと活躍されている方がたくさんいらっしゃいますので、高校生や大学生の皆さんが、そういった方々のリアルな声に触れることができる交流の場を設け、若い世代の皆さんに「このまちで、なりたい自分になれる」という未来図をイメージしていただきたいと考えております。
小中学生に対する取り組みとしては、大変好評をいただいている「かにっこlaboバスツアー」を継続実施するとともに、新たに、次世代を担う子どもたちに「食」と「農」の大切さを肌で感じてもらうため、生産から販売までを学ぶ農業体験バスツアーを実施します。私たちの食を支える農業への興味や関心を育み、子どもたちが農業を含めたこのまちの産業に愛着を持てる環境づくりを進めてまいります。
暮らしの舞台である地域に自分らしく活動できる場があることも重要です。市内14地区に市民活動の拠点となる地区センターが整備されており、子どもの居場所づくりや高齢者の孤立防止など、地域の課題解決に繋がる多種多様な活動が展開されています。この地区センターを、より一層皆様に愛され、自由に活用していただける場所とするために、地域の皆様から、各地域のニーズに応じたさらに使いやすい施設とするためのアイデアをお聞きし、これに基づいた施設環境の整備を進めてまいります。各地区センターで展開される幅広い活動が、これまで以上に地域課題の解決に繋がっていくことを期待いたします。
こうした「働く場」や「地域の活動」にスポットを当てた取り組みと並行し、本市が持つ歴史・文化や豊かな自然といった地域資源を改めて磨き上げていくことで、「市民が誇りを持てるまち」に向けた本市の魅力向上にも、より一層力を注いでまいります。
本市は、国史跡「美濃金山城跡」をはじめとした戦国時代の面影を色濃く残す山城跡が点在するとともに、日本の茶の湯文化に大きな影響を与えた「美濃桃山陶の聖地」としても知られており、その周りには、木曽川左岸をはじめとした日本らしさの残る美しく豊かな自然が息づいております。これらの歴史・文化や自然は、市民の皆様や関係団体の皆様が、本市への深い愛着とともに大切に守り、磨き上げてこられた、本市の大きな誇りであり、大切な宝物にほかなりません。こうした本市の宝物を、この地域に留めることなく、全国、さらには世界中の人々へ効果的に発信することで、インバウンドを含め、多くの方々に本市を訪れていただくため、その戦略的な活用を検討する会議を新たに立ち上げます。ここでは、専門的な視点も取り入れながら、これらの資源をどのように活かし、どう届けていくのか、その具体的な方法を検討してまいります。
その戦略的な活用の第一歩として、令和8年度には、荒川豊蔵資料館において、その豊かな自然空間を生かした特別企画を実施し、同館の新たな魅力を創出します。こうした取り組みの展開により、本市を訪れる人が増えることで、地域に新たな活気と笑顔が生まれ、市民の皆様が改めて本市に住んでいることを誇りに思える。そんな好循環を目指し、戦略的な観光の推進に取り組んでまいります。
また、「トイファクトリーの丘」についても、再整備に向けた新たな一歩を踏み出します。市民の皆様が思い思いの時間を楽しむことができる遊び・寛ぎ・癒しの場として、また市外からも多くの方が訪れ、地域の活力へとつながる新たな賑わいの拠点へと進化させてまいります。そのため、令和8年度は、民間ならではの創意工夫や活力を積極的に取り入れながら再整備の検討を進めてまいります。
令和5年度から再整備を進めてきた「可児市運動公園グラウンド」は、いよいよ本年4月から供用を開始いたします。サッカーや野球といったスポーツだけではなく、様々なレクリエーションにも利用できる東海地区最大規模の全面人工芝の多目的グラウンドであるとともに、災害時の防災活動拠点としての機能も備えています。「市原産業スポーツフィールド」という愛称も決まり、より多くの市民の皆様が親しみや誇りを持って利用していただけるような取り組みを図ってまいります。
こうした行政による取り組みに加え、本市では近年、企業や団体の皆様による地域づくり活動が一段と活発化しており、「地域の人事部」による地域人材の育成に関する取り組みや、NPO法人「つきせぬ」による子どもたちのキャリア教育に関する取り組みなど、その活動は多岐にわたっています。今後もこうした活動の輪がさらに広がり、若者のまちづくりへの参画がさらに進むよう、その支援体制の充実に努めてまいります。
まちの安全づくり
近年、気候変動に起因する自然災害が激甚化しています。地球温暖化による海面水温の上昇は、過去に経験のない規模の線状降水帯や台風の巨大化などを引き起こし、私たちの日常の安心を大きく揺るがしています。
また、地域社会においては、地域の「きずな」が希薄化し、地域コミュニティの維持が大きな課題となりつつあります。
こうしたなか、「まちの安全づくり」に関しては、防災・防犯対策にとどまらず、将来にわたって持続可能な地域環境の整備という点も踏まえ、「快適・安全に暮らせるまち」に向けた包括的な取り組みを推進してまいります。
市民の皆様の命と暮らしを守ることは、市政において変わることのない最優先事項です。防災対策としては、本年度、最大規模の降雨を想定し、どこが、どの程度浸水するのかを示した浸水想定区域図を作成しました。令和8年度は、これをもとにして、浸水時の避難所などをわかりやすくまとめた内水ハザードマップを作成します。「どこへ、どう避難すべきか」がひと目でわかるものとすることで、市民の皆様の適切な避難行動、そして大切な命を守る備えへと繋げてまいります。
また、防災対策にデジタル技術を活用してまいります。市公式LINEを活用したデジタルチェックインを導入し、混雑を避け、スムーズに避難所に避難できる仕組みを整えます。また、まちの被害状況をいち早く把握するため、市民の皆様がLINEから直接、現場の状況を報告できる体制も整備します。こうした取り組みにより、デジタル技術の力を市民の皆様の安心に繋げてまいります。
日々の暮らしの安全に関する取り組みでは、通学路や、市民の皆様の憩いの場である公園への防犯カメラの設置を進めてまいります。さらに、夜の横断歩道などを明るく照らす照明灯を整備し、安全対策の強化を図ります。また、全国的な課題となっている空家対策において、本年度、県内で初めて警察との連携協定を締結いたしました。今後は本協定を効果的に運用し、空家情報の迅速な共有を図ることで、地域の隅々まで防犯の目を行き渡らせ、誰もが安心して暮らせるまちづくりを推進してまいります。
持続可能な地域環境の整備に向けては、皆様の暮らしを支える公共交通の利便性の向上に取り組みます。名鉄広見線については、新可児・御嵩間の「みなし上下分離方式」による存続を目指して協議中ですが、新可児・犬山間についても利用者の減少は続いており、決して楽観視できる状況ではありません。令和8年度は、コミュニティバス「さつきバス」を、鉄道駅を中心とした路線とダイヤに見直し、平日の早朝や夕方の鉄道駅へのアクセスを強化することで、通勤・通学の利便性を高め、名鉄広見線をはじめとした鉄道とのスムーズな連携を進めます。また、日々の暮らしに欠かせない医療機関や商業施設などへの路線や停留所を整備し、通院や買い物がもっとしやすくなるまちを目指します。さらに、路線同士をつなぐ乗り継ぎ拠点を設けて移動の幅を広げるとともに、日曜・祝日の運行を開始し、休みの日にバスを利用して、鳩吹山や木曽川などの豊かな自然と触れ合える場所や、公園などの遊び場へ気軽に出かけられるようにします。こうした取り組みにより、さつきバスが“真に使える移動手段”として、市民の皆様に認識していただけるように努めてまいります。
この他にも、集中豪雨から皆様の暮らしを守るため、室原川の河川改修を進め、浸水被害に強い安全なまちづくりを徹底します。また、日々の暮らしに欠かせない道路網については、市道の改良など、渋滞の緩和と事故のないスムーズな交通環境に向けて取り組むとともに、地域の皆様からお寄せいただいたご要望を踏まえ、身近な生活道路の舗装工事にも対応してまいります。上水道や下水道施設についても引き続き計画的な更新・改修を進めてまいります。
地域福祉の側面に目を向けると、子育ての悩み、介護の不安、障がいの有無や経済的な困窮など、私たちの暮らしを取り巻く課題は、その一つひとつが複雑に絡み合い、多様化しており、既存の枠組みだけでは救いきれない制度の狭間にある方が存在しています。こうした方々をしっかりと受け止める重層的な支援を実施し、きめ細やかな関わりを通じて、世帯の属性にかかわらず、誰もが自分らしく輝ける社会に向けて取り組みを進めてまいります。
むすび
本市が目指す将来像「住みごこち一番・可児」の実現に向けた歩みは、市民の皆様や各種団体、企業の皆様方の温かいご理解と力強いご協力に支えられ、一歩ずつ着実に前進を続けております。これまで進めてまいりました様々な取り組みに対し、市民アンケートによる満足度などにおいて一定の評価をいただけていることは、私にとりましても、また日々現場で皆様と向き合う職員にとりましても、何よりの励みとなっております。
しかし、今の成果に満足し、立ち止まるわけにはまいりません。令和8年度は、笑顔と活気があふれる心安らぐ生活環境をより一層充実させるとともに、本市の魅力を広く発信する「住みごこち一番“+(プラス)”」の取り組みを展開してまいります。
本市の住みごこちの良さや、日本の真ん中に位置しどこに行くにも何をするにもちょうど良い立地を基盤として、誰もが自分らしい暮らしを実現できるまちであることを市内外に効果的に発信し、「可児市に住んでいて良かった」「可児市って良いな」という“実感”と“ときめき”を抱いてもらえるよう取り組みを進めるとともに、山城や美濃桃山陶の聖地といった歴史・文化資産、木曽川左岸や鳩吹山をはじめとした自然空間・景観など、本市が持つ多様な魅力を戦略的に磨き上げ、これを全国そして世界へと広く発信することで、市民の皆様のシビックプライドの向上と同時に、市外からの誘客や関係人口の創出を図ってまいります。
私たちが直面している人口減少や物価高騰、そして激甚化する自然災害などといった課題は、一朝一夕に解決できるものではありません。しかし、こうした困難な時代だからこそ、私たち行政がすべきことは、市民の皆様一人ひとりに寄り添い、日々の何気ない幸せをしっかりと支え、明日への希望を皆様と一緒に育てていくこと。それに他ならないと考えております。
子どもたちの笑顔がまちにあふれ、活気のある地域経済を基盤として若者や女性が自分らしい生き方を選択でき、全ての市民の皆様が安心して健やかに活動できる。日々の生活において、こうした「すこやかに、にぎやかに、おだやかに」暮らせるまちをさらに追及してまいります。そして、この歩みの先に、国が目指す「新しい日本・楽しい日本」を本市がリードしていく。そんな志を胸に、市民の皆様とともに、可児市の輝かしい未来を形にしていけるよう全身全霊で取り組んでまいります。
市民の皆様、並びに議員各位におかれましては、今後とも一層のご理解と、温かいご支援、ご協力を賜りますよう心からお願い申し上げ、令和8年度の施政方針といたします。
添付ファイル
令和8年度施政方針