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法人市民税の税額計算方法

更新日:2022年12月27日

法人市民税の構成

均等割と法人税割の計算方法

法人市民税は下記の2つの種類で構成されています。均等割については法人の利益の有無に関わらず課税となり、法人税割については法人税額を課税標準として税額を計算します。

  • 均等割額
     均等割額 = (均等割額 × 事務所等を有していた月数) ÷ 12ヶ月
  • 法人税割額
     法人税割額 = 法人税額 × 税率 - 税額控除

均等割額について

均等割の税額は、資本金等の金額と市内の従業者数に応じて定められています。一般法人については、法人税(課税標準)額算定期間の末日の税額、解散した法人については算定期間の末日、公共法人等については、その年の3月31日時点で算定します。

資本金等の金額

資本金等の金額とは、資本の金額と資本積立金額の合計金額をいいます。
なお、平成27年4月1日以後に開始する事業年度について、資本金等の額に無償増減資等による欠損補填を行った場合は、調整後の金額を資本金等の額とします。ただし、資本金等の額または調整後の資本金等の額が、資本金と資本準備金の合計金額を下回る場合は、資本金と資本準備金の合計金額を資本金等の額とします。
保険業法に規定する相互会社については、総資産から総負債を控除した純資産額をいいます。

均等割の従業者数

事務所等に勤務すべき人で、給料や賃金等の性質を有する給与の支払いを受けるべき人をいいます。この数には寮等の従業者も含みます。
また法人税割のように算定期間中に新設・廃止された場合や従業者数の変動が著しい場合の特例はありませんが、アルバイト等の人数については算定期間末日を含む直前1ヶ月のアルバイト等の総勤務時間を170で割った数値でもよいとされています。
なお会社役員については通常、従業者には含めませんが、給与の性格を有するものを受け取る場合は従業者に含めます。

資本金等と従業者数の判定の基準日について

均等割を算出するにあたり、申告の種類によって資本金等と従業者数の判定の基準日が異なります。基準日については下表を参照してください。

申告の種類 資本金等 従業者数
確定申告 法人税額の課税標準の算定期間の末日 法人税額の課税標準の算定期間の末日
中間申告(仮決算による中間申告) 法人税額の課税標準の算定期間の末日 法人税額の課税標準の算定期間の末日
中間申告(予定申告) 前事業年度の末日 法人税額の課税標準の算定期間の末日
清算予納申告 法人税額に係る事業年度 法人税額に係る事業年度
清算確定申告 残余財産が確定した日 残余財産が確定した日
均等割申告 前年4月1日から3月31日までの末日 前年4月1日から3月31日までの末日

均等割の計算

均等割については上記の資本金等や従業者数に加え、事務所等又は寮等を有していた期間に応じて月数によって計算します。この時、事務所等を有していた月数を、あらかじめ均等割額に乗じてから12で割ります(100円未満切捨て)。


(均等割額 × 事務所等を有していた月数) ÷ 12ヶ月 = 納付すべき均等割額


また月数は暦に従って計算し、期間全てが1ヶ月に満たない時は1ヶ月とし、1月に満たない時端数が生じたときは切り捨てます。

 例) 4月 1日設置   4月28日廃止 → 2日 → 1ヶ月
      4月 1日設置   5月15日廃止 → 1月と15日 → 1ヶ月(15日は切捨て)
      4月15日設置   6月25日廃止 → 4月15日~6月14日 → 2ヶ月
                        6月15日~6月25日 → 10日(切捨て)


資本金等の額又は
法人の種類による区分
市内従業者数
の合計
税率(年額)
イ…公共法人及び公益法人等のうち、
  均等割を課することができないも
  の以外のもの(独立行政法人で収
  益事業を行うものを除く。)
ロ…人格のない社団等
ハ…一般社団法人(非営利型法人に
  該当するものを除く。)及び一般財
  団法人(非営利型法人に該当する
  ものを除く。)
ニ…保険業法に規定する相互会社以
  外の法人で資本金の額又は出資金
  の額を有しないもの(イからハまで
  に掲げる法人を除く。)
区分なし 50,000円
1,000万円以下の法人 50人以下のもの 50,000円
50人を超えるもの 120,000円
1,000万円を超え1億円以下の法人 50人以下のもの 130,000円
50人を超えるもの 150,000円
1億円を超え10億円以下の法人 50人以下のもの 160,000円
50人を超えるもの 400,000円
10億円を超え50億円以下の法人 50人以下もの 410,000円
50人を超えるもの 1,750,000円
50億円を超える法人 50人以下もの 410,000円
50人を超えるもの 3,000,000円

法人税割について

納付する法人市民税の法人税割については法人の所得ではなく、その所得から算出された法人税額から下記の調整を行った後のものを課税標準額とし、この額に税率を乗じ、その額から税額控除を行った残額になります。


納付すべき法人税割 = 法人税額(課税標準額) × 税率 - 税額控除


可児市の法人税割税率は以下のとおりです。

可児市の法人税割の税率        

平成26年9月30日以前に開始した事業年度

12.3% 

平成26年10月1日から令和元年9月30日までに開始した事業年度

9.7%

令和元年10月1日以後に開始する事業年度

 6.0%

法人税納付額と法人税割の課税標準額の差異について

法人税割に使用する法人税額と実際に納付する法人税額に異なる場合があります。原則として次に掲げる内容を適用する前の法人税額を法人市民税では使用するためです。

  • 法人税額からの利子及び配当に係る所得税額の控除
  • 法人税額からの外国税額控除額
  • 分配時調整外国税相当額の控除額・外国関係会社に係る控除対象所得税額等相当額の控除額
  • 仮想経理に基づく過大申告の更正に伴う法人税額の控除額
  • 試験研究費の額等に係る法人税額の特別控除額

法人税額から課税標準額までの調整について

法人税額から課税標準額を計算するにあたり、下記の加算又は控除を行います。該当する項目がない場合は、次項の端数処理のみを行います。

  • 還付法人税額等の控除(控除)
  • 退職年金等積立金に係る法人税額(加算)

課税標準額・法人税割額の端数処理について

課税標準額となる法人税額に1,000円未満の端数があるときはその端数金額を、その全額が1,000円未満であるときはその全額を切り捨てます。
また、2つ以上の地方団体に事務所等を有する場合は、従業者数で按分した後の課税標準額についても端数処理を行います。さらに、税額控除等を行った後の税額に100円未満の端数があるときはその端数金額を、その全額が100円未満であるときはその全額を切捨てします。

課税標準額の分割について

法人の事務所等が2つ以上の市町村に所在するときは、その課税標準額をそれぞれの市町村に按分し、その按分額に税率を乗じて法人税割を計算します。
その按分の基準となるのが、法人の算定期間末日における従業者数になります。

法人税割の従業者数について

分割の基準となる従業者数とは、事務所等に勤務すべき者で、給料や手当等の性質を有する給与の支払いを受けるべきものを指し、寮等の従業者数を含めません。そのため、歩合給のみを受給するものは事業所得者になるため従業者には含みません。
従業者数の判定日については通常は算定期間の末日現在における人数で按分を行います。算定期間の途中で事業所等の新設または廃止を行った場合や、従業者数の変動が著しいなどの場合は、計算の際にそれぞれ按分を行うことができるなどの特例が設けられています。
なお、算定期間途中での廃止となった場合は、廃止日の属する月の前月の末日現在における従業者数が基準となります。

算定期間途中で事務所を新設したときの従業者数の算出の特例

算定期間の末日の従業者数 × (新設された日から末日までの月数 ÷ 算定期間の月数)

算定期間途中で事務所を廃止したときの従業者数の算出の特例

廃止日の属する月の前月の末日の従業者数 × (算定期間中に所在していた月数 ÷ 算定期間の月数)

従業者数と月数の端数処理について

従業者数と月数の計算に際し、前述の特例で計算を行なった場合など端数が発生した場合、従業者数については1人に満たない端数が生じた場合は1人とし、月数については暦に従って計算を行い、1ヶ月に満たない端数が生じた場合については切り上げて1ヶ月として扱います。端数処理については均等割と異なりますが、月数の算出の考え方については均等割の計算を参照してください。

 

分割課税標準額の算出について

2つ以上の市町村に事務所等がある場合の分割課税標準額は、課税標準となる法人税額を従業者数の合計で除し、従業者一人あたりの分割課税標準額を算出して、その数値に各市町村の従業者数を乗じて計算を行います。

法人税額を除して得た金額に小数点以下の数値があるときは、その小数点以下の各位の数値のうち、従業者数の合計数の桁数に1を加えた数に相当する小数点以下の位の数値を切り捨てます。

 

税額控除について

法人市民税の税額控除は、「特定寄附金税額控除」「外国関係会社等に係る控除対象所得税額等相当額の控除」「外国税額控除」「仮装経理に係る更正額の控除」「租税条約の実施に係る更正額の控除」があり、この順に控除を行います。

市町村民税特定寄附金税額控除

地方公共団体が行う地方創生事業に対して、民間企業の皆様から積極的な寄附を行っていただけるよう、平成28年度税制改正により、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)が創設されました。

制度概要

地方公共団体が、地方版総合戦略に基づく事業を積極的に実施していくため、国が認定した「地域再生計画」に記載された事業に対して企業が寄附を行った場合に、寄附額の6割に相当する額(令和2年4月1日以後に開始する法人(寄附企業)の事業年度から適用)を税額控除する課税の優遇措置。

税額控除の内容
  • 法人住民税+法人税で寄附額の4割を控除
  • 法人事業税で寄附額の2割を控除
    →従来の損金算入による軽減効果(約3割)と合わせて寄附額の約9割の負担軽減
対象となる寄附の要件
  • 寄附額の下限は10万円
  • 本社が所在する地方公共団体以外への寄附
  • 寄附の代償として経済的利益を伴わないものであること

 

制度の詳しい内容は、企業版ふるさと納税ポータルサイト(外部リンク)をご覧ください。

 

外国関係会社等に係る控除対象所得税額等相当額の控除

合算対象となる外国関係会社が日本の所得税等を納付している場合の二重課税の調整方法については、従来の外国税額控除を適用する制度から、「外国関係会社等に係る控除対象所得税額等相当額」として独立した形で控除をする仕組みとなりました。外国税額控除のように法人税、地方法人税、法人県民税、法人市民税と順次控除します。なお、控除限度額や控除余裕額の繰越控除はありません。

 

外国税額控除

内国法人が外国における課税と国内の課税の二重課税を調整するのが外国税額控除になります。控除については法人税(平成26年10月1日以後開始する事業年度においては地方法人税額)において控除しきれない額があるときは、法人県民税法人税割額から控除し、そこで控除しきれない場合は法人市民税法人税割額から控除を行います。控除の上限については、法人税の外国税額控除限度額の6%(令和元年9月30日以前に開始する事業年度においては9.7%)と定められています。

 

仮装経理に係る更正額の控除

粉飾決算がある場合については、法人市民税については減額更正し、その減額した金額のうち仮装経理に係る金額があるときは、これを還付することなく、5年間にわたって順次繰り越して控除を行います。

 

租税条約の実施に係る更正額の控除

相手国において移転価格税制が行われたことにより、法人税に更正が行われ、法人税割に還付税額が生じた場合は、当該更正の日の属する事業年度開始の日から1年以内に開始する各事業年度の法人税割から控除します。

ただし、更正の請求があった日の翌日から3月を経過した日以後に法人税割の更正減額が行われた場合は、当該更正減額による金額は還付します。